北野坂備忘録

主にインストールやプログラミングのメモを載せています。

『Rによるやさしい統計学』応用編と文系の学生向けルート

 第1部の基礎編は一直線になっていて初学者にわかりやすかったが、第2部の応用編は中級者向けとして多様なトピックスを扱っておりとっちらかった印象を受ける。が、中には初学者でも十分理解できるであろう、役立つであろうトピックスもある。
 そこで、一つ一つの章ごとに内容を評価してみた。

第8章 ベクトル・行列の基礎
 行列式の計算方法は書いておいてあげたほうが良かったのではないか。
第9章 データフレーム
 わかる。
第10章 外れ値が相関係数に及ぼす影響
 わかる。
第11章 統計解析で分かること・分からないこと
 わかりにくいけど大事なこと。よく読んだほうがいい。
第12章 二項検定
 わかる。
第13章 プリ・ポストデザインデータの分析
 ここまで読んできただけの初学者が冒頭にある吉田の批判が分かるとは思えない。
第14種 質問紙尺度データの処理
  α係数の話をもう少し入れても良かったのでは。
第15章 回帰分析
 わかる。
第16章 因子分析
 ここまでずっと客観的な感じで進んできたのに「因子の解釈は、研究者の主観に基づく作業です。」って書いてあるから知らない人間はビックリするだろうな。
第17章 共分散構造分析
 いきなりレベルが跳ね上がっているような。
第18章 人工データの発生
 わかりやすいというか、便利。
第19章 検定の多重性と第1種の誤りの確率
 検定の多重性の話はもっと前、それこそ基礎編でも良いかと思ったが、第18章の知識を使ったりプログラミングの計画を立てさせたりしているのでここに来ている。
第20章 検定力分析によるサンプルサイズの決定
 中級の最後としてふさわしい。

 文系の学生向けルートとしては、
 第1章から第6章まで読んで、第7章が難しいと感じたらその感覚は正しいので一旦無視して第8章から第12章までを先に読む。
 あとは第14章から第16章を読むと見通しが良くなっているから再度第7章にチャレンジ。
 最後に第13章と第17章を読んでおく。第17章は分からなくてもいい。
 第18章から第20章までは写経(書かれているとおりRに打ち込む)しておけば良い。第19章だけは内容まで理解できたほうが良い。