北野坂備忘録

主にインストールやプログラミングのメモを載せています。

『アート・オブ・Rプログラミング』

 この本は、「今からRを勉強しようかな」というような人が読むべき本ではない。Rに関する書籍を数冊読み、実際に何度か使った後に読むのが望ましい。あと、cやpythonについて知っていると得られるものが多いだろう。
 とにかく「ここはこうなっていたのか!」という新たな発見が多い。
・リサイクルの強力さ。
・:は整数を作るが、c()は浮動小数点を作る。
・行列はベクトルだがベクトルは1列または1行の行列ではない。ベクトルと違って行列は行数と列数を属性に持つ(正確にはもっと拡張された$dim属性を持つ)。
・ファクタは統計での名義(カテゴリ)変数概念から発生している。
・「密かにNULLを返す」!
・Rは関数型言語の影響を受けている。
・置換関数
・edit()関数
・S4クラス
・locator関数

 Rのプログラミングをしていると最後になって「ここがおかしいよ!」と言われるのが遅延評価のせいであることを知る。
 あと、この本のおかげでRubyでなかなか理解できなかった「クロージャに環境が含まれている」という意味が少し分かった。

 しかしながら一番心に刺さったのは、
「テキスト解析は、気弱な人には決して向かないのです。」
 というさりげない一文。


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