衰退する日の丸半導体:次のステージへの転身失敗
こんな記事がありました。
www.jiji.com
こういう話を聞くと「トヨタ自動車」を思い出します。
トヨタ自動車は「豊田自動織機」という会社が興した「自動車部」が元です。そこから華麗に転身したわけですね。
日本は「半導体」という「自動織機」から転身できませんでした。鉄鋼の次に「産業の米」と呼ばれていたのも良くなかったですね……米と一緒で国のカネが無駄に流れ込んでいきました。
「ものづくり(=ハードウェアづくり)」に拘りすぎています。
そういえば昔、自民党の森首相も「ものづくり」に拘っていました。年寄りで上の方の人と言うのは、どうしてもその頃の成功体験から抜け出せないみたいです。
「じゃあ何に転身すべきだったのか」と言われると、「システム」ですね。
具体的には「ハードウェアとソフトウェアの融合」です。
AppleのiTunesなんかがそうですね。
iPodというハードウェアと、iTunesというソフトウェアを組み合わせて全世界規模の音楽販売システムを構築する。
そこに優位性が生まれたわけです。
ソニーなんか二番手でiTunesをおっかけても良かったような気がします。
GoogleはAndroidでiPhoneの後追いをして莫大な利益を手に入れましたし。
最近はやりの「自動運転」も「ハードウェアとソフトウェアの融合」の極致です。
日本でうまくやっているところとしては「コマツ」が挙げられます。
建築機械の会社だったのですが、建築機械と自前の管理システム、保安システムを組み合わせることで一躍海外シェアを広げました。おかげで今ではむしろ「KOMATSU」というローマ字表記のほうが有名でしょう。
このあたりの話は以下の本が面白いです。
この本の「ICTで市場を『見える化』する」というところが勝利のカギですね。
「結局現代ではITに強い経営者が勝つ」という見本のようなものです。