真の統計屋はうとまれる
日本で統計屋の仕事ってすっごく少ないんですが、理由として「広告で統計を嘘に使っている」ということがあります。
例えば、
「牛乳配達の牛乳を飲んでいる人は、寿命が平均寿命よりx%長くなる」
という広告があります。
これは真実です。
ちょっとデータを分析するだけで正しいと証明できるでしょう。
ただし、「牛乳配達を受けているから寿命が延びる」のではなく、「牛乳配達というサービスを頼めるぐらい余裕のある生活をしている人は、結果として健康なので寿命が延びる」ということです。
「牛乳配達」そのものが原因ではない。真の原因が裏側にある。
このように、真の統計屋は常に事象の裏側にある真の原因を追究したがるのです。
すると「こういう広告は問題がある」と言いたくなるわけですが、企業内でそういうことを言ってもうとまれるだけです。
「統計を用いて真の原因を追究する」という統計の本道があまりお金にならなくて、「偽の統計を使って商品を良く見せる」ほうがお金になる、という根本的な問題があります。